Cafe Bohemia

カフェ

カフェ・ボヘミア   文:ebi

絵を見る。
絵を見るというのは、正直に言って難しいことだと思う。
まず第一に、版画、リトグラフみたいなものを除けばほとんどが1点ものだ。
だから絵を見ようと思ったらどこかしらの美術館へ出かけて行くか開催期間中の個展へ行くか、もしくは買って自宅の壁に掛けるしかない。
言うなればライブしかやらないロックバンドみたいなものだ。
ライブを中心に活動しているバンドの凄さは実際にそのライブに行かなければわからない。
絵というのもそれと同じで直接自分の目で実物と対峙した時に初めて心に響くものである。

芸術ってのはさっぱりわからん。
よく耳にする言葉だ。
ようするに取っ掛かりがないのだ。
興味が持てないのである。
興味がなければ絵も音楽も同じ、ライブハウスへも美術館へも個展へも行かない。僕だってそうだ。
誘われて連れて行かれても興味がないから真剣には見ない、聞かない。だから当然心には響かない。感動はない。まあ、思ってもみない不意打ちを食らう作品もあるけど。それもそこに足を運ばなければ出会うことはない。

僕は小泉清亮という男をよく知っている。
だから彼の描く絵に興味があるし伝わるものがあるし感動もする。
前回彼が個展で出品した 『路上の詩』 は見た瞬間にニューヨークの路上のひとコマだとわかった。
まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥った。
マンハッタンの路上の喧騒、行きかうイエローキャブのクラクション、ストリートミュージシャンが奏でるテナーサックスの音色。
その場所にいるかのように感じた。その頃の想いがよみがえってきた。

こんなにもリアルに伝わったのは、彼が描いたその場所に僕がその時一緒にいたからだと思う。
作者の人となり、考え方、好きな音楽や好きな本。知れば知るほどその絵から伝わるものも大きくなると思い、僕はこのサイトを作ろうと考えた。
今後ここで彼にまつわるエピソードを一つ一つ紹介していこうと思う。
少しでも小泉清亮という男に興味を持っていただければ幸いである。
そして彼の個展(ライブ)に足を運んでみてほしい。

路上の詩
『 路上の詩 』
   アクリル 727×2060
唐突に波がやってくる
静寂の中、不規則なリズムを淡々と刻む
闇が光を輝かせ、あちらこちらで創造と破壊、
成功と挫折が生まれる

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